小説 2015/07/17 芥川賞受賞!ピース 又吉 直樹氏 しかもお笑い芸人初の芥川賞受賞! 火花 敬愛している太宰治も逃した芥川賞をお笑いコンビ「ピース」の又吉 直樹氏が受賞! おめでとうございます! 最近の出版不況の中の明るいニュース! 本当におめでとうございます! 大作家の風貌たっぷりだった又吉氏ですが、 風貌に肩書きがついてもう、大先生です。 好きな芸人さんの一人ですのでやっぱり、嬉しい。 マスコミはコンビ間の格差が気になるようで、 その辺りにも質問が相次いでいました。 又吉氏によると 「はっきりと、時計を買ってくれと、2人きりのときに言われました。」 らしいです。 その綾部氏の受賞後のコメントが 「大先生、これでアシスタントになる覚悟が出来ました。」と綾部氏らしいコメント。 この3連休の書店がすごいことになるでしょう! 増刷するらしいですが、間に合いませんね! ▲にほんブログ村「書評・レビュー」ランキングにも参加しています。 [0回]PR
小説 2015/07/16 革命のリベリオン 第Ⅱ部 叛逆の狼煙 神永 学 (著) 本の厚みもたっぷり、読み応えも十分ありの内容に大満足です。 こんにちは。水海です。 今回は、 革命のリベリオン: 第II部 叛逆の狼煙 (新潮文庫 か 58-22 nex) いよいよ最新刊が出ました。 本の厚みもたっぷり、読み応えも十分ありの内容に大満足です。 第Ⅰ部では、主人公の少年コウは、謎の男イザナギの許へと導かれ、自分たちの暮らしている世界の欺瞞を知らされました。 未曾有の大震災による悲劇。壊滅の危機にあった東京を救うために運用された、DNA解析は、人材を適材適所に配置して、効率的に復興を遂げるための画期的なシステムでした。 しかし、復興後にシステムによって生み出されたのは、絶望的なまでの圧倒的な格差社会。 その象徴となる東京湾に浮かぶ巨大な人口島―フロートアイランドの建設。 持てる者と持たざる者を分かつ堤防。 その差は、生まれたときに行われるDNAランクによって選別され、ランクの高い富裕層と、ランクの低い貧困層に分けられる絶望的な格差が立ちはだかりました。 コウは、重い病気を患っていた妹を救うために危ない仕事に手を出しますが、己の力不足から目の前で妹を喪ってしまいました。 その絶望から、イザナギやイヴたちと活動をともにし、革命に身を投じることになります。 第Ⅱ部では、教養と武術を身に着けて、草薙巧という新たな名前とともに生まれ変わったコウが、叛逆者として世界に立ち向かい戦う覚悟を決めて動き始めます。 かつてのコウそうであったように、何も知らないままでいることは、それ自体が罪でもあります。 現状に不満を抱いていても、そのことに疑問を持たず、異を唱えることもせず、自分では何も動かずに現状に甘んじるのならば、事実を容認をしたことと同じになります。 コウは、かつての自分から這い上がり、抗う力を手にして、叛逆者となる決意を持って行動を起こします。 草薙巧と名乗り学園に編入。コウを助けた少女ミラと再会します。 ミラは、巧にコウを見いだし、コウであることを問い詰めますが、コウは、自分は草薙巧であり、ミラの知るコウは死んでいるのだと答えます。 コウは、"仮面の男"として暗躍、権力者とテロリストの双方を裁いていました。 妹の死によって、固く心を閉ざし、死に場所を求めるかのようでした。 そんなコウに関わった人間たちが、自分にはないものを求め、コウに希望と何かの期待を抱きます。 ミラはコウと出逢い、世界に疑問と抵抗を感じ、これまでの価値観を一変させていました。 ミラの婚約者、仁村マコトはミラの変化に悩み、巧に対して、不安と嫉妬を感じるようになります。 マコトの友人である御手洗タケルは、裏でテロリストのフォックスとして活動し、その背景には父に対する復讐があり、ミラを生け贄とするテロを計画していました。 3人の親は、富裕層の中でも支配する特権階級の人間たちで、イザナギや巧が戦うべき相手でした。 DNAシステムを管理する企業の経営者、市宮潤一郎と妻の美晴。 警察庁トップの仁村了介。各放送局や出版社の実権を握り、メディア王と呼ばれる御手洗寛一。 市宮潤一郎は、最愛の妻と娘に負い目を抱え、素直に愛情を表せずにいました。 潤一郎の妻である美晴にも秘めた葛藤や、イザナギとも確執があるようでした。 仁村了介は、警察庁トップの立場にいながら、裏社会の三島と関係を持ち、汚いない仕事をやらせていました。 三島が仁村から請けた仕事は、イザナギやコウに深く爪痕を残すものでした。 社会に対し復讐を誓うもの、個人に対して復讐を誓うもの、既得した権益を守りたいものたちの争いの中に、ミラとコウも捲き込まれてしまいます。 フォックスの計画したミラの誘拐と解放の条件。 それは、社会の根幹となるDNA解析データ改竄の公表。腐敗した権力者たちを脅かし、社会の根底を揺るがす事態を引き起こすためのものでした。 ミラを救い、コウは過去と現在を繋ぎ、未来を変えるために叛逆者として名乗りを上げる戦いを挑みます。 物語の世界は架空の出来事でも、私たちが生きる現実社会の問題と通じる部分があるので、置き換えて考えさせられるものがあります。 他者に対する憧れや嫉妬の感情。プライドと諦めから自分を納得させる言い訳。自分から行動をするのではなく、誰かが何かをしてくれることに期待すること。自分を守り、見ないようにしている部分を突かれるので、人間のエゴや業の深さを考えさせられました。 ▼PCの方はこちらから ▼スマホの方はこちらから 革命のリベリオン: 第II部 叛逆の狼煙 (新潮文庫 か 58-22 nex) ▲にほんブログ村「書評・レビュー」ランキングにも参加しています。 [0回]
小説 2015/07/13 本多孝好「ストレイヤーズ・クロニクル ACT-2」人気シリーズのACT2。 18 こんにちは。水海です。 今回は前回に引き続き人気のストレイヤーズ・クロニクル ACT-2 (集英社文庫)です。 ストレイヤーズ・クロニクルの2冊目です。 幸い既に続刊が刊行されているので、勢いのまま先を読めるので嬉しいです。 特殊能力を持つ昴たちは、渡瀬にアゲハを生け捕りにするように命令をされます。 東京で開催される国際会議に出席する学者の1人が、アゲハの生みの親であり、アゲハの復讐の対象者でした。 戦いの舞台となった、国際会議の会場であるホテルのセキュリティの担当をする神谷昌樹は、歪んだ思想と鬱屈からテロ活動を個人的に計画し実行に移します。 渡瀬からは、殺さずに捕まえるという命令と、伊原卓という元自衛隊員が率いる警備会社の協力。 渡瀬の意図とは関係のない所で、アゲハの襲撃と戦いが交差します。 昴たちの前に、アゲハの面々が少しずつ姿を現し接触をしてきます。 それぞれが作られたラインの違いから抱えている問題と葛藤、目的のもとに行動するために相容れることは出来ませんでした。 昴が渡瀬に仕えなければならない理由…。 人質の亘、既に亡くなっている寛人、残されている沙耶、隆二、良介。 昴たちが作られた環境から推論によって導かれる仮説は、脳機能または神経系に破綻をきたす可能性があることでした。 もし仲間が破綻をきたしてしまったら、渡瀬の持っている力が必要でした。 一方のアゲハたちは、人としての進化の過程を外れたグループでした。 秀は、表皮を意志的に硬化させて操り殺傷する能力。 モモは、銃のように口から金属片を連続で射出できる能力。 輝は、腕を4本持つ外見的な変化。 碧は、高周波の音波を放つことによって、現場の状況を脳内で精密に把握できるコウモリのような能力。 グループのなかでは、一番普通の人間に近い者でした。 静は、優しげな声と美しい姿で相手に近づき嗅覚から忍び込む力を持っていますが、詳細な能力は明らかになりませんでした。 車椅子に乗った少年の学はアゲハの中心で、アゲハを支えていました。 渡瀬の指示で生け捕りにしうる唯一のアゲハ。 渡瀬が求めていたのは、最初から学の身柄でした。 すべてを与えられ、無限の可能性を託されて生まれてきた、最初の実験体である昴。 その後に生まれた、成長の過程で個体として、いびつに後天的に特化する能力を与えられ、いつ破綻をきたしてしまうのかも分からない爆弾を抱えた、昴の守りたい仲間たち。 昴たちとは異なるラインで緻密な計画の上に先天的な変化を与えられた学と学のの仲間は、プロトタイプにして最終形でした。 概念として性欲を理解できても、自分の中に生み出すことができないため進化をしない、個体の終焉として死が待っているだけの存在でした。 すべての蓋となり、未来を閉ざすために生まれてきた、最後の実験体である学。 学にだけ与えられた進化の可能性は、感染でした。 昴にとって、渡瀬に対する切り札になりうる学の能力、学の語る真実を知って、昴が選ぶ未来は、何を望むのか? 学は昴に何を望むのでしょうか? 狂った化学者と一部の権力者たちによって、人為的な作為の元に作られた能力者たち。 底の知れない渡瀬は、何を目指しているのか? 昴は、仲間を守りきることができるのか? 今後の展開も、とても気になるところです。 ▼PCの方はこちらからアマゾンへいけます。 ▼スマホの方はこちらからアマゾンへいけます。 ストレイヤーズ・クロニクル ACT-2 (集英社文庫) ▲にほんブログ村「書評・レビュー」ランキングにも参加しています。 [0回]