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一景のススメぃ

私こと一景が、相方、水海とカワいくもユルい品々を求める日々。ゆるいキャラだったり、グッズだったり、本だったり。時には真面目に語ったりします。

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「羽根川牧人 香魅堂奇譚」京都、オカルト奇譚、お香、魑魅魍魎、そして俺様的なキャラクター。ついつい惹かれて、新しい作家さんを試してみました。

 


こんにちは。水海です。

今日は香魅堂奇譚 (富士見L文庫)をご紹介します。

京都、オカルト奇譚、お香、魑魅魍魎、そして俺様的なキャラクター要素と文庫の装丁に、ついつい惹かれて、新しい作家さんに手を伸ばしてしまいました。
この春、京都の大学に通うために島根の田舎から出てきたばかりの倉見麻衣は、霊感に悩まされている女子大生。

霊が視えてしまうために、バイトの面接を受けても、霊がいる職場では働けないと、バイト先を決めることもできません。
何とかバイト先を見つけようと面接に向かう途中で、黒猫の霊に憑き纏われて、必死で逃げているとバイトの面接時間に遅れてしまいました。
黒猫の霊から解放されて逃げ込んだ路地で途方に暮れていると、不思議な芳香が漂っていることに気がつきます。

香の匂いを辿り見つけたお店は、京都ならではの趣あるお香専門店《香魅堂》。そして、軒先に貼られた1枚の紙には、アルバイト募集の文字が…。

しかも、『視える人優遇』。

思い切って店内に入り尋ねると、中から出てきた店主は、女性が嫉妬を覚える程の綺麗な美青年でしたが、慇懃無礼な態度と物言いに働いてみたいと思ったことを後悔します。



店主の名前は、香崎辰巳。



バイトなど募集してないと言い放ち、麻衣の言うことを馬鹿にしますが、匂いを嗅がれただけで自分の素性を言い当てる辰巳に、霊感体質に悩まされていた麻衣が食い下がります。
そこに、辰巳の友人で住職をしている清風が登場し、飄々とした彼に流されて、三人で怪奇現象を解決することに。

天才的な嗅覚の持ち主である辰巳は、霊などいないと公言して霊感を否定。その上、匂いで人間を判断する人間嫌いで出不精の除香師。

僧侶とは思えない軽々しい発言で人を振り回す友人の清風。

一見すると大人しく控えめに見える麻衣も、実は激情型で正義感に満ち溢れています。
辰巳や麻衣、清風さんの他にも、麻衣の大学の友人で男気のある千夏。
辰巳の香に絡み香炉造りをしている陶工の鈴間晶。

千夏のバイト先の珈琲店の店主でバリスタの瀬尾。
辰巳の兄で呪香師の戌亥。一つのオカルト騒動の短編形式で、一章のお話が進む毎に、個性的なキャラクターも増えて、キャラクターの人物像や過去なども少しずつ明らかになります。
香道の奥深さや、京都の持つ土地柄にも興味をひかれますが、人間の匂い、人間の想いや感性、品性についても考えさせられます。

また、日本古来の物事の捉え方や考え方になるのか、式神や付喪神、大切にしてきた物に宿る魂の存在なども大好きです。

記憶に結びついた匂いから香で人を救ったり、香で魔を祓うことのできる除香師が、現実の世界でも実在してほしいと思ってしまいます。




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「平井和正・ボヘミアンガラス・ストリート第1部 発熱少年、第2部 やさしい嘘つき」少年と少女が出逢い、運命に翻弄されるラブストーリー



こんにちは。水海です。

今回は
ボヘミアンガラス・ストリート 第1部 発熱少年
ボヘミアンガラス・ストリート 第2部 やさしい嘘つき
をご紹介いたします。


このお話は、ボーイミーツガールの一言に尽きます。

少年と少女が出逢い、運命に翻弄されても、二人の絆は深く結ばれていくというラヴストーリーです。
主人公である少年は、大上円(おおかみえん)17歳。
29日周期で、42度の高熱を発するという特異体質の持ち主です。

大上円の家族は、皆が特異能力を持った神様(?)のようなファミリーです。

その能力ゆえに、逃亡者のように、一箇所に留まれず放浪を繰りかえし、転校を余儀なくされています。

そんな大上ファミリーが、新都心東京ウィング・シティに引っ越してきたことから始まります。
彼は、16歳の三人の妹たち(すばる・くるす・ほくと)から奴隷的な扱いを受けるファミリーの最下層の立場にいましたが、5歳の末の妹ななこは、とても聡明で、そんな兄に対して、同情と憐憫の情で持って接してくれることに助けられていました。

父親である大上空は、瀟洒な口髭が似合う中年紳士ですが、性格は、お茶目でおどけた飄々とした人物です。

そんな大上ファミリーが、新都心東京ウィング・シティに引っ越してきたことから始まります。
高熱のさなか、暴走族に襲われている美少女と出逢い彼女を救ったこと。
それは、彷徨の旅の終わり。そして、探し求めていた少女、百合川蛍(ゆりかわけい)との出逢いであり、世界の変化の始まりでした。

二人の出逢いと恋の行方は世界に歪みを生み、破滅をもたらしてしまうかもしれないものでした。
あとがきで作者本人も賛辞を捧げていますが、二人の漫画家の方々の作品に多大なる影響を受けて生まれた作品で、最高のラヴストーリーです。

高橋留美子さんの、めぞん一刻と、まつもと泉さんの、きまぐれオレンジ・ロードに賛美を表さずにはいられなかったそうです。

タイトルにも入っていますが、ボヘミアンガラスという言葉に込められて彩られたメッセージの世界観に、心を持っていかれます。

美しく高貴で、儚く壊れてしまいそうな繊細で優雅なボヘミアンガラス。
若者が持つ繊細さと優雅さ、華やかさの意味もあって恋心の綺麗さや危うさにも繋がります。
そして、ボヘミアンという言葉には、放浪者という意味があり、ジプシーのことを指します。また、芸術家のこともボヘミアンと呼び、でたらめで放縦、無責任な一面の意味合いを持っているそうです。
そして彼ら大上ファミリーが引っ越してきた街には、ボヘミアンガラス・ストリートという地下遊歩道があるります。

平井さんの作品は、自身が言霊使いと言っている通り言葉には言霊が宿り、登場人物も人間らしい善悪の両面を併せ持ち、生き生きと活動します。

人が人を思いやる優しい気持ちと、自分でも抑えられない醜くやるせない気持ち、その人を特別に追い求める気持ち。

例え世界が壊れるとしても、誰かを傷つけなければならないとしても…。



私の好きな、異なる世界や時空間。運命と宿命に翻弄されても、未来を選んで進もうと抗って戦うところに気持ちが揺さぶられます。単語としては、ウルフ、魔女、世界の終わり、破滅、希望、超能力、といったワードにも反応しています。

遥か昔に読んだ、幻魔大戦や各ウルフガイシリーズも読みたくなってきました。最近は、本屋さんに行っても新刊本しか並んでいないので悲しくなります。

昔の本も、文庫で新創刊をして出版してくれると嬉しいです。

やはり、本を選んで、手にとって開く、頁を捲って、作者の世界に入っていき、その想いに共鳴するという感覚を味わうことが、とてつもなく幸せで、そうすることが私はとても好きなんだなあと感じています。



 

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幕末新撰組をモチーフにした「夢幻戦記 栗本薫」



こんばんは。水海です。
今回、ご紹介しますのは、

夢幻戦記 (1) (ハルキ・ノベルス)
夢幻戦記〈2〉総司地獄変〈下〉 (HARUKI NOVELS)
です。

幕末の新撰組のお話です。
主人公は沖田総司ですが、新撰組と云えば、
土方歳三、
斎藤一、
山南敬助、
永倉新八、
原田左之助、
近藤勇、
井上源三郎、
というように、定番の面々も登場してきます。

物語は、総司の幼少時代から穏やかに、密やかに始まります。

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