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一景のススメぃ

私こと一景が、相方、水海とカワいくもユルい品々を求める日々。ゆるいキャラだったり、グッズだったり、本だったり。時には真面目に語ったりします。

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「平井和正・ボヘミアンガラス・ストリート第1部 発熱少年、第2部 やさしい嘘つき」少年と少女が出逢い、運命に翻弄されるラブストーリー



こんにちは。水海です。

今回は
ボヘミアンガラス・ストリート 第1部 発熱少年
ボヘミアンガラス・ストリート 第2部 やさしい嘘つき
をご紹介いたします。


このお話は、ボーイミーツガールの一言に尽きます。

少年と少女が出逢い、運命に翻弄されても、二人の絆は深く結ばれていくというラヴストーリーです。
主人公である少年は、大上円(おおかみえん)17歳。
29日周期で、42度の高熱を発するという特異体質の持ち主です。

大上円の家族は、皆が特異能力を持った神様(?)のようなファミリーです。

その能力ゆえに、逃亡者のように、一箇所に留まれず放浪を繰りかえし、転校を余儀なくされています。

そんな大上ファミリーが、新都心東京ウィング・シティに引っ越してきたことから始まります。
彼は、16歳の三人の妹たち(すばる・くるす・ほくと)から奴隷的な扱いを受けるファミリーの最下層の立場にいましたが、5歳の末の妹ななこは、とても聡明で、そんな兄に対して、同情と憐憫の情で持って接してくれることに助けられていました。

父親である大上空は、瀟洒な口髭が似合う中年紳士ですが、性格は、お茶目でおどけた飄々とした人物です。

そんな大上ファミリーが、新都心東京ウィング・シティに引っ越してきたことから始まります。
高熱のさなか、暴走族に襲われている美少女と出逢い彼女を救ったこと。
それは、彷徨の旅の終わり。そして、探し求めていた少女、百合川蛍(ゆりかわけい)との出逢いであり、世界の変化の始まりでした。

二人の出逢いと恋の行方は世界に歪みを生み、破滅をもたらしてしまうかもしれないものでした。
あとがきで作者本人も賛辞を捧げていますが、二人の漫画家の方々の作品に多大なる影響を受けて生まれた作品で、最高のラヴストーリーです。

高橋留美子さんの、めぞん一刻と、まつもと泉さんの、きまぐれオレンジ・ロードに賛美を表さずにはいられなかったそうです。

タイトルにも入っていますが、ボヘミアンガラスという言葉に込められて彩られたメッセージの世界観に、心を持っていかれます。

美しく高貴で、儚く壊れてしまいそうな繊細で優雅なボヘミアンガラス。
若者が持つ繊細さと優雅さ、華やかさの意味もあって恋心の綺麗さや危うさにも繋がります。
そして、ボヘミアンという言葉には、放浪者という意味があり、ジプシーのことを指します。また、芸術家のこともボヘミアンと呼び、でたらめで放縦、無責任な一面の意味合いを持っているそうです。
そして彼ら大上ファミリーが引っ越してきた街には、ボヘミアンガラス・ストリートという地下遊歩道があるります。

平井さんの作品は、自身が言霊使いと言っている通り言葉には言霊が宿り、登場人物も人間らしい善悪の両面を併せ持ち、生き生きと活動します。

人が人を思いやる優しい気持ちと、自分でも抑えられない醜くやるせない気持ち、その人を特別に追い求める気持ち。

例え世界が壊れるとしても、誰かを傷つけなければならないとしても…。



私の好きな、異なる世界や時空間。運命と宿命に翻弄されても、未来を選んで進もうと抗って戦うところに気持ちが揺さぶられます。単語としては、ウルフ、魔女、世界の終わり、破滅、希望、超能力、といったワードにも反応しています。

遥か昔に読んだ、幻魔大戦や各ウルフガイシリーズも読みたくなってきました。最近は、本屋さんに行っても新刊本しか並んでいないので悲しくなります。

昔の本も、文庫で新創刊をして出版してくれると嬉しいです。

やはり、本を選んで、手にとって開く、頁を捲って、作者の世界に入っていき、その想いに共鳴するという感覚を味わうことが、とてつもなく幸せで、そうすることが私はとても好きなんだなあと感じています。



 

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