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一景のススメぃ

私こと一景が、相方、水海とカワいくもユルい品々を求める日々。ゆるいキャラだったり、グッズだったり、本だったり。時には真面目に語ったりします。

『人形師「原舟月」三代の記』 絵守すみよし著



生き人形で触れた人形師の世界。今回は江戸の人形師、「原舟月」の本です。
本書は山車人形師としての原舟月にスポットを当てています。
古写真から現存する作品まで紹介され、名工といわれた原舟月を知ることが出来ます。



「原舟月」と聞いて、アノCMを思い出した方が多いと思いますが、残念。
それは、秀月。「♪人形の秀月~」です。

ともに雛人形を作った人形師なのですが、本書では、雛人形師というより、山車人形師としての「原舟月」を掘り下げています。

山車とはお祭りの時に曳き出されるお囃子を演じながら進む曳き物のことで、江戸の山車は最上部に人形が乗せられます。
その人形を作る名手が原舟月なのです。


目次

第一章 初代、原舟月

大阪時代
江戸へ
雛商、原舟月
江戸所払い
諫鼓の山車

第二章 二代目、原舟月

初代に弟子入り
下職人、原舟月
罰金刑
初代を迎えに
七小町の見世物
御雛師、原舟月
二代目の門人

第三章 原舟月

お穣っ子
三代目誕生
円熟期
明治の工芸品
栃木の山車
谷中の関羽人形
まぼろしの四代目
舟月の顔を推理する
三代目の雛人形

第四章 原舟月の山車人形

伝説の原舟月作の山車人形
現存する原舟月作の山車人形
原舟月の根付

参考文献
あとがき


初代から三代目(四代目?)まで、原舟月の生涯について、推測も含め、かなり詳しく書かれています。
現存する資料を基に物語り形式で書かれているところもあり、面白いです。

3f3e77d8.jpg推測に基づく物語部分だけではなく、資料としてのページも情報満載。
「第四章 原舟月の山車人形」では原舟月の関わった(と思われるものも含む)山車人形が多数掲載されています。
現存していないものも古写真で紹介され、当時の人形の精巧な作りまで確認できます。
焼けてしまったり、流出してしまって現代まで残らなかった山車人形を古写真が姿かたちを伝えてくれる…すばらしい事です。

と、このように人形師「原舟月」を知るには充分な一冊です。
是非ご一読あれ!




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