小説 2015/03/03 神永学さんがデビュー10周年の記念イヤー「怪盗探偵山猫シリーズ」 神永学さんがデビュー10周年の記念イヤーを迎えたこともあり 新しいシリーズや続編本が出ています。 その一つに、怪盗探偵山猫シリーズがあります。 タイトルにもある"山猫"は現代の怪盗で、神出鬼没の窃盗犯です。 犯行は鮮やかで、鼠小僧や石川五右衛門のような義賊的な一面が垣間見えます。 お金はしっかり盗み、目的は果たしつつも、ついでに悪事を暴いて、メッセージを警察に残しておきます。 おちょくられた警察は当然メンツをかけて山猫を逮捕しようとしますが、一枚も二枚も上手の山猫は堂々と渡り合って煙に巻きます。 そんな山猫の正体を探り、事件を記事にするために、雑誌記者である勝村英男は、大学時代の憧れの先輩で、警察官の霧島さくらも巻き込んで、山猫ともども事件の渦中に引きずり込まれて運命共同体に…。 続編の"虚像のウロボロス"では、天命探偵シリーズの探偵社も山猫と関係をしていたりすることも。 ネット社会の犯罪の多様性と現代社会の歪みやひずみも反映されています。 登場人物の行動や葛藤から大人でも子供でも、自分と向き合い、自分の罪や甘さを自覚し責任と義務を果たさなければいけないのだと感じさせられます。 本の中であっても登場人物に共感して、その中の人生に触れられることが嬉しくて楽しみです。 [0回] PR