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一景のススメぃ

私こと一景が、相方、水海とカワいくもユルい品々を求める日々。ゆるいキャラだったり、グッズだったり、本だったり。時には真面目に語ったりします。

革命のリベリオン 第Ⅱ部 叛逆の狼煙 神永 学 (著) 本の厚みもたっぷり、読み応えも十分ありの内容に大満足です。


こんにちは。水海です。
今回は、 革命のリベリオン: 第II部 叛逆の狼煙 (新潮文庫 か 58-22 nex)


いよいよ最新刊が出ました。

本の厚みもたっぷり、読み応えも十分ありの内容に大満足です。


第Ⅰ部では、主人公の少年コウは、謎の男イザナギの許へと導かれ、自分たちの暮らしている世界の欺瞞を知らされました。

未曾有の大震災による悲劇。壊滅の危機にあった東京を救うために運用された、DNA解析は、人材を適材適所に配置して、効率的に復興を遂げるための画期的なシステムでした。

しかし、復興後にシステムによって生み出されたのは、絶望的なまでの圧倒的な格差社会。
その象徴となる東京湾に浮かぶ巨大な人口島―フロートアイランドの建設。
持てる者と持たざる者を分かつ堤防。

その差は、生まれたときに行われるDNAランクによって選別され、ランクの高い富裕層と、ランクの低い貧困層に分けられる絶望的な格差が立ちはだかりました。

コウは、重い病気を患っていた妹を救うために危ない仕事に手を出しますが、己の力不足から目の前で妹を喪ってしまいました。 その絶望から、イザナギやイヴたちと活動をともにし、革命に身を投じることになります。


第Ⅱ部では、教養と武術を身に着けて、草薙巧という新たな名前とともに生まれ変わったコウが、叛逆者として世界に立ち向かい戦う覚悟を決めて動き始めます。


かつてのコウそうであったように、何も知らないままでいることは、それ自体が罪でもあります。


現状に不満を抱いていても、そのことに疑問を持たず、異を唱えることもせず、自分では何も動かずに現状に甘んじるのならば、事実を容認をしたことと同じになります。 コウは、かつての自分から這い上がり、抗う力を手にして、叛逆者となる決意を持って行動を起こします。


草薙巧と名乗り学園に編入。コウを助けた少女ミラと再会します。


ミラは、巧にコウを見いだし、コウであることを問い詰めますが、コウは、自分は草薙巧であり、ミラの知るコウは死んでいるのだと答えます。


コウは、"仮面の男"として暗躍、権力者とテロリストの双方を裁いていました。
妹の死によって、固く心を閉ざし、死に場所を求めるかのようでした。

そんなコウに関わった人間たちが、自分にはないものを求め、コウに希望と何かの期待を抱きます。 ミラはコウと出逢い、世界に疑問と抵抗を感じ、これまでの価値観を一変させていました。

ミラの婚約者、仁村マコトはミラの変化に悩み、巧に対して、不安と嫉妬を感じるようになります。

マコトの友人である御手洗タケルは、裏でテロリストのフォックスとして活動し、その背景には父に対する復讐があり、ミラを生け贄とするテロを計画していました。

3人の親は、富裕層の中でも支配する特権階級の人間たちで、イザナギや巧が戦うべき相手でした。 DNAシステムを管理する企業の経営者、市宮潤一郎と妻の美晴。

警察庁トップの仁村了介。各放送局や出版社の実権を握り、メディア王と呼ばれる御手洗寛一。 市宮潤一郎は、最愛の妻と娘に負い目を抱え、素直に愛情を表せずにいました。

潤一郎の妻である美晴にも秘めた葛藤や、イザナギとも確執があるようでした。

仁村了介は、警察庁トップの立場にいながら、裏社会の三島と関係を持ち、汚いない仕事をやらせていました。 三島が仁村から請けた仕事は、イザナギやコウに深く爪痕を残すものでした。

社会に対し復讐を誓うもの、個人に対して復讐を誓うもの、既得した権益を守りたいものたちの争いの中に、ミラとコウも捲き込まれてしまいます。

フォックスの計画したミラの誘拐と解放の条件。 それは、社会の根幹となるDNA解析データ改竄の公表。腐敗した権力者たちを脅かし、社会の根底を揺るがす事態を引き起こすためのものでした。 ミラを救い、コウは過去と現在を繋ぎ、未来を変えるために叛逆者として名乗りを上げる戦いを挑みます。

物語の世界は架空の出来事でも、私たちが生きる現実社会の問題と通じる部分があるので、置き換えて考えさせられるものがあります。


他者に対する憧れや嫉妬の感情。プライドと諦めから自分を納得させる言い訳。自分から行動をするのではなく、誰かが何かをしてくれることに期待すること。自分を守り、見ないようにしている部分を突かれるので、人間のエゴや業の深さを考えさせられました。


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革命のリベリオン: 第II部 叛逆の狼煙 (新潮文庫 か 58-22 nex)





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