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私こと一景が、相方、水海とカワいくもユルい品々を求める日々。ゆるいキャラだったり、グッズだったり、本だったり。時には真面目に語ったりします。
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トミサカという高級外車ばかりを扱うディーラー・トミサカのメカ(整備士)が主人公。
名は元木。
元木は尊敬する先輩を目指し整備の仕事に汗を流していた。充足した日々だった。
その先輩が、ある日、ロードテストで事故死。
その日から従属していた日々から灯が消えてしまう。
そこに声をかけてきたのが元木が嫌っていた石黒というブローカー。
石黒に連れて行かれたガレージで事故死した先輩が手を入れていたポルシェの仕上げを任される。
といった流れでストーリーが始まります。
楠みちはる氏の作品のいいところは、現実の社会で起こる問題や葛藤、悩みをクルマに絡めて突いて来るところ。
誰もが認めたくない心の卑しい部分を突いて来るのです。
それは「湾岸MIDNIGHT 」にしろ、「湾岸ミッドナイト C1ランナー
」にしろ必ず読者に突きつけられます。
本作では、
ブローカー石黒の言葉で、
「トミサカはベンツやポルシェなど高級外車ばかりを扱う工場だ。」
「あそこで働くヤツはそんな車にかかわりたくて入ってくる。」
「でも、」
「半年もするとシラけるんだ。」
「高級外車に乗るオーナーと、手取り15万の自分との格差に…。」
「そして、半分がヤメて、残った者はバランスを取っていく。」
「オーナーたちを「下に置く」ことでバランスを取り、自分を保つんだ。」
「「彼らはクルマを何もわかっていない」とバカにしてな。」
…現実に自分でもしていませんか?
相手を低く見ることで自分のプライドを保つやり方。
そういうイタいところを突いて来るのです。
言われて気づくこと、
いや、気づかないようにしているだけかもしれない
自分の嫌な部分。
ただのクルママンガと侮ってはいけないのが楠みちはる作品なのです。
もちろん、カル~いノリも忘れてはおらず、
その辺は「シャコタン・ブギ」からの流れで変わっていないところでしょうか。
重さ軽さのバランスが絶妙で、気負い無く読めます。
また主人公のヒーロー性も大事な要素で、今回も
・運転がうまい
・メカに強い
・誰に対しても対等
という主人公。
女性を薬で朦朧とさせGT-Rで連れ去った男をクルマで追いかけます。
どうなったかは、お読みいただくとして、
やはり、「運転がうまい」はヒーローとして憧れますね。
ドラマ性も見逃せない点で、事故死した先輩の彼女はその直後、トミナガのお客さんと結婚。
この彼女はトミナガのフロント業務をしていて、仕事の進捗を確認と称して、先輩の顔を見に来るくらい好きだったはずなのに…。
このミステリアスな展開もドラマ性を高めます。
と、まぁクルマ好きな人はもちろん。
そうではない人でも普通に楽しめるマンガです。
マンガで心配な、表紙の絵と、中身の絵が違う!ということもありません。
表紙の絵と変わりませんのでご安心を。